5月11日(日)、シニア世代を対象に、骨折と関節症に関する知識の啓発を目的とした健康講座が北区赤羽の赤羽会館で開催されました。テーマは「いつまでもアクティブシニアでいるために学ぶ・整形外科 骨折と関節症」。当日は約90名の参加者が集まり、講師陣の話に熱心に耳を傾けていました。
本講座には、日本医科大学で非常勤講師を務める整形外科医の星川氏をはじめ、2名の理学療法士が講師として登壇。3部構成で行われた講座の様子を、広報室より簡単にご紹介します。
第1部では、「フレイル(加齢に伴う心身の衰え)」をテーマに、理学療法士の丸山氏が講話を行いました。丸山氏は東京保健医療専門職大学で教授を務める傍ら、当院の出張講座にも多数登壇しており、地域と神谷病院をつなぐ存在です。
今回は、加齢によって起こる身体の変化や、フレイルがもたらすリスクについて、日常生活に即した身近な例を挙げながらわかりやすく解説。丸山の親しみやすい語り口に、会場からはたびたび笑みがこぼれ、和やかな雰囲気の中で講座が進行されました。
続く第2部では、整形外科医の星川氏が登壇し、「骨折・関節症の理解と予防・治療」をテーマとした講話が行われました。
高齢者に多く見られる骨折の種類や治療法に加え、骨折と深く関わる骨粗鬆症の検査・治療の重要性について説明。参加者の多くがメモを取りながら熱心に聞き入っている様子が印象的でした。
また、変形性関節症については、関節の軟骨がすり減り、炎症や骨の変形を伴うことで痛みや違和感が生じ、転倒のリスクともなることを解説。人工関節置換術が患者満足度の高い治療であり、生活の質(QOL)やロコモティブシンドロームの改善に寄与し、転倒予防に役立つ可能性があることも紹介されました。
第3部では、理学療法士の齋藤雄氏が講話を担当。齋藤氏は桜美林大学大学院 老年学研究科で老年学を研究し、現在は臨床に携わる傍ら、若手療法士の育成にも尽力されています。
講話では、「骨折・関節症を予防する -ロコモティブシンドロームを知る-」と題し、約20年前の高齢者と現在の高齢者の身体機能の変化や、平均寿命と健康寿命に関して説明し、運動器の障害がもたらすリスクや、予防の重要性について解説。また、簡単なロコモ度テストを紹介し、日常生活の中でできるセルフエクササイズや食事方法などの予防法も解説・実演されました。
当日は多くの皆さまにご参加いただき、どの講話にも真剣な表情で耳を傾けてくださる姿が見られました。健康的で自立した生活を送るための第一歩として、今回の講座が少しでもお役に立てていれば嬉しく思います。
今後も、地域の皆さまの健康づくりに貢献できるよう、健康講座を継続してまいります。
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