講座の前後には、骨量・筋肉量を測定できるInBodyを実施しました。
結果を見て「やっぱり思っていた通り」と納得される方や、「この項目はどういう意味ですか?」と理学療法士に積極的に質問される方もおり、ご自身の身体について理解を深める貴重な機会となりました。
続く第2部では、当法人理事長、整形外科医(専門医・指導医)で日本スポーツ協会スポーツドクターの星川直哉医師が「いつまでもスポーツを楽しむために知っておきたい身体の変化とリスク」について講演しました。
スポーツという言葉の語源や、日本における「体育」から「スポーツ」へと変容してきた歴史的背景について紹介がありました。もともとSportsの語源であるSportは「楽しみ」を意味していたというお話に、参加者の方々からは興味深そうな表情が見られました。
「健康日本21」の調査によると、運動習慣がある人の割合・歩行の平均値は、目標値を下回っており、現代人の運動不足が大きな課題であることが示されました。
2023年に改訂された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」について、年齢層ごとの推奨運動量が分かりやすく解説されました。
「メッツ(METS)」という運動強度の指標についても丁寧に説明があり、参加者の方々は熱心にメモを取られていました。
特にシニアの方にとっては、筋・腱・靭帯炎になりやすいこと、変形性関節症の症状が悪化する場合があること、骨粗しょう症のため骨折リスクが高いこと、熱中症が重症化しやすいこと、突然死の可能性があることが示されました。星川医師からは「80歳以上の女性の65%が骨粗しょう症を発症している」「スポーツでの突然死はほとんどが心筋梗塞と脳卒中である」というデータも紹介され、骨密度検査や健康診断を定期的に受けることが「スポーツを生涯楽しむために必要な第一歩」であるとお話しされました。
続いて、神谷病院のリハビリテーションセンター統括責任者で理学療法士の丸山陽介からは「シニアのための筋力トレーニング」についてのお話がありました。
年齢を重ねると速筋(瞬発力のある筋肉)が特に衰えやすく、抗重力筋(姿勢を保つ筋肉、体幹や下肢の筋肉)が弱くなることが紹介され、筋力は「脳からの指令の強さ」と「筋肉の太さ」によって増加し、継続的な負荷が必要であることが説明されました。
また、丸山はいつもの筋力トレーニングをレベルアップさせるための負荷のかけ方についても実演を交えながら紹介。強すぎる負荷は転倒や関節の痛み、血圧上昇のリスクがあるため、主治医と相談しながら安全に行うことなども推奨されました。
今回の講座では、スポーツの楽しさを改めて感じるとともに、年齢に応じた運動の大切さやリスクへの備えを学ぶことができました。筋トレのお話しを聞いた参加者からは「すぐにでも生活に取り入れたい」といった声もありました。
神谷病院では、今後も地域の皆さまの健康づくりを支援する活動を続けてまいります。
ページトップ
関連施設Facility
医療法人社団田島厚生会
医療法人社団 田島厚生会舟渡病院
株式会社ケアネット・トキ