サッカーやバスケットボールをしていてジャンプした後に着地した時、走っていて急に方向転換した時、あるいはスキーで軸足を捻ったときなどに、膝関節の中にある靭帯である前十字靭帯が断裂してしまうことがあります。
日本の中高生で運動部に所属する学生で、1年あたり0.08%(男性 0.047%、女性 0.135%)という報告がある一方で、女子バスケットボールでは2年の調査中に9.7%発生したという報告があります。
中学生、高校生の女性で多く発生します。
受傷時には痛みとともに靭帯が断裂する音を聞かれる方が多く、数時間以内に膝に血が溜まって腫れてきます。時間とともに痛みと腫れはひいてきますが、膝がガクっと抜けるような感覚(膝くずれ)を生じることがあります。放置すると半月板に負荷がかかって断裂することが多く、軟骨が悪くなって変形性関節症になります。
スポーツ活動を望まない高齢者では装具を使用したり、筋力トレーニングで膝の安定性を改善する治療が行われますが、近年では半月板を傷めないために手術を受けることが推奨されています。
断裂から時間が経つと半月板が断裂する可能性が高まるので、受傷してから3~6か月程度で手術を行うのが望ましいとされています。断裂した靭帯を縫い合わせても再度断裂してしまうことが多く、他の靭帯や筋膜を移植する靭帯再建術が行われます。手術の方法が改良されてきており、カメラ(関節鏡)で小さな傷で行う手術が可能になっていますが、スポーツ復帰には6~9か月のリハビリテーションが必要になります。
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