
自ら作業療法士として患者様と向き合いながら、センター長として総勢60名を超えるスタッフを束ねるIさん。
もともとは一般企業でSEとして働いていましたが、「手に職をつけたい」という想いから作業療法士の道へ進みました。
大学病院のスタッフ、大学講師、そして神谷病院での臨床・管理職経験を重ねる中で、一貫して大切にしてきたのは、患者様の生活を想像し、患者様の生活を支えること、そしてスタッフが成長できる環境をつくること。
作業療法士のおしごと、自らのキャリア、そしてリハビリテーションセンター長としての日々の想いや、これからの展望について語っていただきました。

Q.作業療法士のお仕事について教えてください
A.作業療法士は、患者様の生活全般を、受傷前の状態になるべく近づけるようにするための訓練をする職業です。
患者さんの状態を怪我する前や、病気になる前の生活にできるだけ近づける。入院している方であれば、退院後にお家に帰った時に、以前と同じように生活できるようにリハビリテーションを実施し、再構築をする職業です。
Q.具体的にはどのようなリハビリテーションを行うのでしょうか?
A.ご本人様に日々どういうふうに家事動作をしているのかを伺い、お家に帰って困らないように、お家と同じぐらいの条件設定をして練習をしていただいたりします。
例えば洗濯物干しであれば、洗濯ものを干す高さを伺って、同じぐらいの高さに設定して練習します。
あるいは、お買い物行くこともあると思うので、どれぐらい移動距離があるかを確認して、2~3kgの荷物を持って、ちゃんとお買い物して帰ってこられるかを確認することもあります。
お家に帰って生活をするために、どういうことが必要なのかを考えて、リハビリをすることが主になります。


Q.作業療法士になるために、学校ではどんなことを学んだのですか
A.基本的には解剖学とか、筋肉の動きの運動学です。また、アクティビティといって、陶芸や金工等手工芸関係の授業もありました。
私の学校は少し特殊な学校だったので、ダンスの授業等、表現の授業もありました。作業療法の特徴として、こういうことをやっている学校が多いと思います。
Q.作業療法士を目指されたきっかけは?
A.元々は大学で心理学を専攻して、卒業後、普通の一般の企業でSEをやっていました。
でも、3年目くらいで、やっぱり手に職つけなきゃダメだなと感じて。
本で調べていたら作業療法士という仕事をみつけました。
資格を取るには養成校に行かなきゃいけないと書いてあったのですが、むしろ、「また学生になれるのか!(笑)」と思い、学び直しをしました。
Q.現在のキャリアを築くまでにはどんな道のりがあったのですか?
A.初めは、大学病院の職員として臨床の現場で働いていましたが、あるご縁があって、大学の教職につきました。大学には助手として入り、講師に上がったのですが、どうしても研究っていうものに慣れなくて。「やっぱり私は臨床がやりたい」と思ったタイミングで、大学病院で一緒に働いていた田島厚生会のリハビリ事業部長の丸山さんに声をかけていただきました。最初の3~4年は教職を続けながら、神谷病院で非常勤の作業療法士として働いていました。実際に働く中でも、丸山さんは自分のことをよく見てくださっていて、管理職になるタイミングでも
「君は上に行かなきゃだめだ」
と背中を押してくれました。
正直なところ、当時は管理職をやりたいという気持ちはあまり強くなかったのですが、自分の働きを見てくれている人がいるんだと感じたことが、自分自身の考え方を変えるきっかけになったと思います。
そうした経験もあり、今はセンター長として、外来の患者さんと関わりながら、スタッフ一人ひとりの成長を支えられる環境を作りたいと考えています。
Q.作業療法士として働いて印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか?
A.特に印象に残っている患者様が二人います。
一人は、脊髄損傷の若い方で一生車椅子生活になると言われていました。わたしが担当になって、その方がたくさん練習されたんですよ。車椅子の操作とか、車椅子の乗り降りとか。すごく頑張ってくださった。退院される時はお一人でできるようになって退院されました。
あともう一人は、交通事故で頭部外傷を負ってしまった高校生です。
最初は話すこともできなくて、座っているのも精いっぱいで。いつも話しかけたり、一緒に手を動かしてちょっと作業してもらったりということを続けていたら、お若いということもあり、どんどん回復されて。最後は自分で歩いて高校に復学することができるようになられました。
退院してから、こんなに元気になりましたと言って、制服着て会いに来てくれて。当時はまだ私も作業療法士として2年目くらいの駆け出しで、先輩が見守ってくれるなかで、ひたすら良いと思われることを一生懸命やった結果でしたので、すごく嬉しかったです。
Q.この時の経験が現在、活きているな、と感じることはありますか?
A.やっぱりこの経験があったことで、その患者様の状態をちゃんと評価をして、できること、これはやれるということを考えてやらなければいけないと。一生懸命最後までやる、諦めないっていうことが、患者様にとっての利益になると常に思っています。
Q.現在はセンター長として、神谷病院のスタッフにも同じ様に見守っていらっしゃる?
そうですね。本当に現在の若いスタッフ達も、患者様に向き合うのも一生懸命やってくれていますし、わからないところは結構、現場のリーダーなどに聞いてくれたりしています。
現場のリーダー達も話しやすい雰囲気を作ってくれているので、新人面談の中でも、「先輩がすごく親切に教えてくれて助かっています」という声を多く聞きます。
今年の新人の方達に聞くと、みんな「楽しい」って言ってくれるので、そういう気持ちで仕事をしてくれている新人の方達にも、そのような環境を作ってくれているリーダー各のスタッフ達にも感謝しています。
また、スタッフは患者様への対応が一番大切ですので、私はできるだけ雑用にも回るようにしています。みんなが困らないように、決めごとを作ることや働きやすい環境の下地を作るっていうことが、管理職としての私の役目かなと思っています。


Q.確かに、(リハビリの様子を)見ていても、皆さんいつも楽しそうに働いていますね。
A.そこは安心しています。職場が楽しいだけでなく、リハビリテーション専門職としての、深い意味の楽しさも体感してもらっていて、やりがいがあるのかなと思いますね。
Q.これから作業療法士を目指す方にメッセージをお願いします。
A.やっぱり人が好きでないとできない仕事です。人生がガラッと変わってしまった患者様がもう一度それまで送ってきた生活を取り戻す力になれる、やりがいのあるお仕事です。そのためには、まずは患者さんに興味を持ってもらって、その人を知りたいって思うことが一番大事ですね。本当にその患者様のことを知りたいと思えば、ただ単に数値を測って「筋力がない」っていうだけの評価をするだけでなく、「この人は何でこれができないんだろう」とか、「何でこれはうまくできるんだろう」っていう風に考えられると思います。
Q.最後に、神谷病院で働くことの魅力と求職者にメッセージをお願いします。
A.リハビリを担当するスタッフのほとんどが若いんですけれども、みんなすごく一生懸命に患者様のことを考えて、行動できる人たちばかりです。新人も、キャリアがあるスタッフも、皆、優しく親しみやすいです。和気あいあいとしながらも、きちんと仕事もしっかりできる「仲間」の集う職場で、まとまりもありますし、神谷病院ならではの医療と介護を両方できる環境で成長できるところですね。
リーダーや管理職になるとリハビリ以外の分野もあるので、地域に赴いたり、実習の受入などいろいろな経験ができるのも魅力だと思います。ただその分、成果をきちんともらえるようなシステムづくりには課題がありますが、前向きに取り組んでいるところですので、ぜひ一緒に当院で頑張っていただきたいです。

神谷病院では、患者様の生活に寄り添いながら、スタッフ同士が学び合い成長できるリハビリテーションセンターを目指しています。
患者様の回復を本気で支えたい方、チームで成長したい方をお待ちしています。
医療法人社団田島厚生会 神谷病院
人事課長 西倉(キャリアコンサルタント)
リハビリ専門職
インタビューInterview
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